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捻挫

■「捻挫」って?

 病態ではなく受傷原因を表す

 「捻挫」といえば「関節のケガ」として認知され、ひろく一般に使われている名称です。

文字通り「捻る(ひねる)」「挫く(くじく)」ことですが、実は、ケガを負った原因(受傷機転)を表しているだけで、その結果どのような状態(病態)になったのかは判らない傷病名になっています。同様なものとして「突き指」がありますが、この名称も受傷原因を表しているだけで、名称だけでは病態が不明ですが、一般には「骨折や脱臼にはいたらなかった指の関節のケガ(捻挫)」として使われている名称です。

 

 医学的定義を要約すれば、「捻挫」とは「関節に強い力が加わる」ことで「骨折や脱臼には至らなかった」が「関節を構成する(骨以外の)組織が損傷」したものを指します。「関節を構成する組織」には、関節包、靱帯、関節軟骨、関節半月・円板、関節唇等があります。

 

 単純な捻挫として扱えない例

 一般的に「捻挫」とは、関節包や靱帯の損傷を指す場合が多く、関節軟骨や関節半月・円板、関節唇の損傷は「捻挫」とは分けて個別に扱われます。関節包や靱帯の損傷を主体とする「捻挫」の治療の多くは手術を必要としない「保存療法」の適応ですが、(膝関節や肘関節の)関節軟骨や関節半月・円板、(股関節や肩関節の)関節唇の損傷では、永続的な関節機能障害が残る為、手術療法の適応となることがその理由です。

■「捻挫」になる原因は?

 

 統計的に最も捻挫が多い部位は本来、指関節なのですが、指関節捻挫はいわゆる「突き指」という名称が世間に浸透している為、一般的に「捻挫」といって想起されるのは足首(足関節、距腿関節)の捻挫です。

足関節捻挫では、足部を内側に強く捻る「内返し捻挫」で、外くるぶし(外果)の靱帯(前距腓靱帯、踵腓靱帯)を損傷する例が最も多くみられます。

 症状と予後

 足関節内返し捻挫では、受傷から数時間で外くるぶしに腫れ(腫脹)が出現、内出血(皮下溢血斑)は数日経過してから外果の下方に出現します。痛みは受傷直後から強く、痛みによって一時的に荷重・歩行が困難となりますが、時間の経過とともに徐々に荷重・歩行が可能となる程度の痛みに和らいでいきます。3~4週経過すれば日常生活動作には支障のない程度に痛みは緩和・消失しますが、重症例では外果の腫脹と、しゃがんだ時や正坐した時の痛みが半年~1年程度残ります。

■及川接骨院での施術方法は?
 

 初期処置の重要性

 受傷後可能な限り早く、患部の安静と鎮痛処置を行うことが重要です。受傷直後から施療を受けた(あるいは適切な自己応急処置をした)例と、そうでない例とでは治癒に至るまでの期間に明らかな差が生じます。

 

 急性期の施療

 足関節捻挫では、包帯やギプス等を使った固定処置を施すことによって、過剰な腫脹を抑え、患部の安静と鎮痛を図ります。施療後初日から包帯やギプス等の固定をした状態で荷重・歩行を行いますが、患者さんの希望があれば、松葉杖による免荷歩行を数日~1週程度行う場合もあります。同時に、電気療法や手技療法等によって鎮痛と損傷組織の修復を図る施術を継続的に行うことが必要です。

 

 回復期の施療

 包帯やギプス等の固定は3~4週経過で除去できますが、スポーツ活動に復帰する場合には、バランス訓練等の運動療法を行いながら、約1ヶ月半~2ヶ月経過という期間を要します。

 

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