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脱臼
■脱臼って?
「正常な関節相互面の解剖学的位置関係を失っている状態」と定義されますが、平たく言えば「関節が外れた状態」を指します。
発症要因によって、「外傷性脱臼」、「先天性脱臼」、「病的脱臼」等の区別がありますが、接骨院・整骨院で扱う脱臼は外傷性脱臼です。
外傷性 脱臼は肩関節に最も多く、肘や指の関節、鎖骨や膝蓋骨、顎関節などに発生します。
脱臼では一般的に、関節を構成する一方の骨が、関節を包む軟部組織である関節包を破って逸脱(「関節包外脱臼」)しますが、肩関節や 顎関節の脱臼の多くでは関節包を破ることなく逸脱(「関節包内脱臼」)する場合が多く、再発を繰り返す「反復性脱臼」に進展する例があります。
■原因は?
関節を構成する一方の骨に外力が加わった結果、関節に正常な運動範囲を超える力が作用して生じる場合が多いです。
捻挫も同様の原因によって生じますが、正常な関節相互面の位置関係は失われていないのに対し、脱臼では正常な関節相互面の位置関係は失われたままの状態に陥ります。
肩や肘の脱臼は、「転倒の際に手を衝いた」ことで生じるとされていますが、ただの転倒ではなく、柔道や格闘技あるいはアメフトやラグビー等のコンタクトスポーツなどの試合や練習で、相手に倒されそうになった際に、不用意に手を衝いてしまったことが原因となる場合が多いです。
ちなみに、手を衝いたことで起こる肩や肘の脱臼は青壮年に多く、若年者や高齢者の場合では肩や肘、手首の骨折となる場合が多いです。
最も多いとされる肩関節(烏口下)脱臼は反復性に進展する例が多く、いわゆる「脱臼癖がつく」という状態になるのですが、初発の脱臼では肩を直接強打したり、転倒時に不用意に手を衝いて肩を強く捻った結果生じるのに対し、反復性となると『高いところのものを取ろうと腕を伸ばそうとして』『リュックを背負おうと腕を後ろに回して』といった軽微なきかっけで脱臼が生じるようになります。
また、肩関節と同じ関節包内脱臼である顎関節脱臼も『大きなあくびをして』『大口をあけて笑って』『びっくりして大声をあげて』といった軽微なきっかけで脱臼します。
■及川接骨院での施術方法は?
全てに優先して、まず整復(外れた骨を関節に戻す)を行います。
応急的な固定処置をすることだけでも痛みが大幅に緩和される骨折と異なり、脱臼の場合、脱臼状態を解消しない限り(応急的な固定をしたとしても)痛みが緩和しません。
また、脱臼状態が長く続くと関節周囲の筋肉の痙攣と異常な緊張が強まっていくのですが、その異常な筋痙攣と緊張状態に対抗するかのような強力な整復操作を行うと、余計な苦痛を与えるだけでなく、二次的損傷の危険性も高まります。
私には愛護的で速やかな徒手整復を行う技術と経験があります。
反復性脱臼で過去に他の医療機関、接骨院・整骨院で整復をされた経験がある患者様は、当院での整復後に「他院ではすごく痛い思いをしたのに、痛くなかった」「数人がかりで何十分もかかってやっとだったのに、あっという間に終わった」という感想をいただきます。
整復後は、包帯や装具を用いた固定処置を行い、紹介する専門医で合併症の有無をチェックしてもらいます。
整復後の急性期の施術は、炎症を抑える・疼痛を緩和する電気治療や徒手療法を行い、回復期には関節可動域や筋力を回復するリハビリテーションを行います。